
リンパサロンを開業したい方や、すでにサロンを運営している方なら、一度は考えたことがあるかもしれません。
「リンパサロンで月商100万円は可能なのか?」
セラピストスクールの広告やコンサル系のSNSでは、
「月商100万円達成」
「未経験から人気サロンへ」
「自宅サロンで高収入」
「あなたの夢かなえませんか?」
といった「あまい言葉」を見かけることがあります。
もちろん、リンパサロンで月商100万円を目指すことは不可能ではありません。
実際のサロン運営では、施術時間だけでなく、
- ベッドメイク
- 掃除
- リネン類の選択
- カルテ記入
- LINEやメール対応
- SNSやブログの発信
など、施術以外の時間もかなりあります。
そのため、単純に、「1時間1万円なら、100時間働けば100万円」という単純な計算にはなりません。
今回は、施術料金、施術人数、回数券、物販などを含めて、リンパサロンの月商100万円について現実的なお話をしたいと思います。
月商100万円は可能だが・・・
最初に結論を言うと、リンパサロンで月商100万円は可能です。
ただし、
一度だけ月商100万円を達成すること
と、
毎月安定して月商100万円を維持すること
は、まったく別の話です。
回数券や高額コースが売れれば、瞬間的に月商100万円を超えることはあります。
しかし、施術だけで毎月安定して月商100万円を作るとなると、かなり計画的に考える必要があります。
施術料ごとの月商100万円シミュレーション
まずは、施術料金ごとに必要な人数を見てみましょう。月25日営業として計算します。
| 1人あたりの施術料 | 月商100万円に必要な人数 | 1日あたりの人数 |
|---|---|---|
| 6,000円 | 約167人 | 約6.7人 |
| 8,000円 | 125人 | 5人 |
| 10,000円 | 100人 | 4人 |
| 12,000円 | 約84人 | 約3.4人 |
| 15,000円 | 約67人 | 約2.7人 |
| 20,000円 | 50人 | 2人 |
こうして見ると、施術料によって必要人数は大きく変わります。
6,000円のサロンなら、月に約167人。
20,000円のサロンなら、月に50人。
同じ月商100万円でも、必要な施術人数は3倍以上違います。
低価格サロンは人数が必要になる
例えば、1回6,000円のリンパサロンで月商100万円を目指す場合、月に約167人の施術が必要です。
25日営業なら、1日約7人です。(ひとりサロンで、この人数を毎日のように集めるのは、かなり大変です💦)
リンパ施術は60分、90分、120分など、比較的時間が長くなりやすいメニューです。仮に6,000円と設定した場合は、おそらく60分位が目安になるでしょう。
仮に60分施術だとしても、
- 受付
- カウンセリング
- 着替え
- 会計
- ベッドメイク
- 掃除
まで含めると、1人あたり75分〜90分程度は見ておきたいところです。
1日7人をこなす場合、かなり詰め込んだスケジュールになります。
インターバルを取って90分とした場合、稼働時間が10.5時間ですので、体力的にも精神的にもなかなか大変です。
スタッフがいない一人サロンの場合、6,000円の施術料での月商100万はかなり厳しいですね。
90分以上の施術が多いと、1日4人でも十分ハード
リンパサロンでは、実際には90分以上のコースが中心になることも多いと思います。
90分施術の場合、前後の準備や片付けを含めると、1人あたり120分程度の枠を取ることも珍しくありません。
この場合、
| 1日の施術人数 | 必要な時間の目安 |
|---|---|
| 2人 | 約4時間 |
| 3人 | 約6時間 |
| 4人 | 約8時間 |
| 5人 | 約10時間 |
1日4人でも、ほぼ一日仕事です。
さらに、予約がきれいに並ぶとは限りません。
10時、12時、14時、16時と理想的に入る日もあれば、10時と17時だけ入る日もあります。
施術時間は少なくても、拘束時間は長くなる。ここが一人サロンの難しいところです。
空いている時間はSNSの更新などの雑務がメインになるでしょう。
ただ、空き時間の使い方が、お店の将来を左右します。
高単価なら楽なのか?
では、1回20,000円の高単価サロンなら楽なのでしょうか?
数字だけ見ると、20,000円なら月50人で月商100万円です。
25日営業なら、1日2人。かなり楽に見えます。
しかし、高単価には高単価の難しさがあります。
20,000円をいただくには、
- 施術技術
- 空間づくり
- 接客
- カウンセリング
- 結果への期待
- ブランディング
- 信頼感
- 継続する理由
などが求められます。
お客様は、価格が高くなるほど期待値も高くなります。
「なんとなく気持ちよかった」
だけでは、20,000円を継続していただくのは難しいです。
高単価にするほど、人数は少なくて済みます。
しかし、そのぶん選ばれる理由をしっかり作る必要があります。
美容特化は高単価にしやすい
リンパサロンで高単価を目指す場合、美容系のメニューは比較的相性が良いです。
例えば、
- 小顔
- フェイシャル
- むくみ改善
- ダイエット
- ブライダル
- ボディライン
- 痩身
などです。
美容系は、「不調をなくす」というよりは、
「もっときれいになりたい」
「もっと変わりたい」
「維持したい」
という需要があります。
そのため、美容系はコース化や回数券、高額プログラムにしやすい傾向があります。
一方で、肩こりや腰痛などの不調改善系は、良くなれば卒業という考え方になりやすいです。
回数券で月商100万円は可能だが、注意点も多い
リンパサロンの売上を考えるとき、回数券は大きな要素になります。
例えば、5万円の回数券を20人が購入すれば、
5万円 × 20人 = 100万円
となります。
数字だけを見ると、月商100万円は一気に達成できそうに見えます。
しかし、実際のサロン運営では、月商100万円のすべてを回数券だけで作るのは簡単ではありません。
回数券販売後は、数か月お金が入らない可能性がある
回数券の注意点は、売った後です。
例えば、5万円の回数券を購入したお客様が、月2回ペースで通うとします。
60分×8回の回数券なら、使い切るまで約4か月かかります。
その4か月間、そのお客様からは追加の施術料が入りません。もちろん、物販や追加メニューがあれば別ですが、基本的には先にお金をいただいているため、後から施術だけが続くことになります。
つまり、回数券をたくさん販売した翌月以降は、
- 予約表は埋まっている
- 施術は忙しい
- でも新しい現金収入が少ない
という状態になることがあります。これが回数券経営の怖いところです。
回数券の谷間に入ると売上がガクンと下がる
回数券は、売れた月の売上を大きく押し上げます。
しかし、その反動で翌月以降の売上が落ちることがあります。
例えば、
ある月の売上
| 内容 | 売上 |
|---|---|
| 通常施術 | 50万円 |
| 回数券販売 | 50万円 |
| 合計 | 100万円 |
この月だけ見ると、月商100万円達成です。
しかし翌月に回数券の販売が少ないと、
翌月の売上
| 内容 | 売上 |
|---|---|
| 通常施術 | 40万円 |
| 回数券販売 | 10万円 |
| 合計 | 50万円 |
ということも起こります。
予約表は埋まっているのに、売上が伸びない。施術はしているのに、現金が入ってこない。
回数券利用のお客様が集中すると、新規のお客様を受け入れる枠も減り、次の売上を作りにくくなる場合があります。
回数券の価格と施術時間の例
例えば、5万円で回数券を販売した場合、内容によって実質単価は変わります。
| 回数券内容 | 合計施術時間 | 1時間あたりの単価 |
|---|---|---|
| 60分 × 8回 | 8時間 | 6,250円 |
| 90分 × 5回 | 7.5時間 | 約6,667円 |
| 120分 × 4回 | 8時間 | 6,250円 |
| 60分 × 6回 | 6時間 | 約8,333円 |
| 90分 × 4回 | 6時間 | 約8,333円 |
このように、同じ5万円の回数券でも、何回使えるのか、何時間分の施術なのかによって、実際の単価は大きく変わります。
もし割引率を高くしすぎると、販売した瞬間は売上が立ちますが、その後の施術単価はかなり下がってしまいます。
回数券は売れば良いというものではなく、未来の自分の時間をいくらで販売しているのかを考える必要があります。
回数券には宣伝費を抑えられるメリットがある
ここまで回数券の注意点を書いてきましたが、回数券には大きなメリットもあります。
それは、新規集客にかかる宣伝費を抑えられることです。
サロン経営では、新規のお客様を集めるために、
- 広告費
- ホームページ制作費
- ポータルサイト掲載料
- SNS運用
- チラシ
- キャンペーン
など、さまざまな費用や労力がかかります。
新規のお客様を1人集めるには、意外とコストがかかります。
それに比べると、すでに来店してくださったお客様に回数券を利用していただく方が、宣伝費はかなり少なく済みます。来院を勧める必要がなくなるわけですから。
つまり、回数券は単なる売上アップの方法ではなく、既存のお客様との関係を深めながら、集客コストを抑える方法でもあります。
新規集客ばかりに頼るサロンは、常に広告を出し続ける必要があります。
一方で、継続して通ってくださるお客様がいるサロンは、毎月の売上が安定しやすくなります。
この点では、回数券はサロン経営にとって非常に有効な仕組みです。
月商100万円のすべてを回数券に頼るのは危険
回数券は、サロン経営において有効な方法のひとつです。
ただし、月商100万円のすべてを回数券販売で作るのは、あまり健全とは言えません。
なぜなら、
- 売上の波が大きくなる
- 未来の施術枠が埋まりすぎる
- 新規予約を受けにくくなる
- 回数券消化期間の現金収入が減る
- 割引率が高いと実質単価が下がる
- 売ることが目的になりやすい
からです。
特に一人サロンの場合、自分の施術時間には限界があります。
回数券を売りすぎると、未来の自分の予約枠を安く大量に販売している状態になることもあります。
これは、短期的には売上アップになりますが、長期的には苦しくなることがあります。
理想は「通常施術+回数券+物販」のバランス
月商100万円を目指すなら、回数券だけに頼るよりも、売上の柱を分けた方が安定します。
例えば、
| 売上の内訳 | 金額 |
|---|---|
| 通常施術 | 60万円 |
| 回数券販売 | 25万円 |
| 物販 | 5万円 |
| その他 | 10万円 |
| 合計 | 100万円 |
このように、通常施術を土台にして、回数券や物販、講座などが上乗せされる形の方が安定しやすくなります。
逆に、
| 売上の内訳 | 金額 |
|---|---|
| 通常施術 | 10万円 |
| 回数券販売 | 90万円 |
| 物販 | 0円 |
| 合計 | 100万円 |
このような形だと、その月は売上が高くても、翌月以降に大きく落ちる可能性があります。
月商100万円という数字だけを見るのではなく、その売上がどのような内容で作られているのかを見ることが大切です。
物販があると月商100万円は近づく
物販を取り入れているサロンもあります。
例えば、
- 化粧品
- オイル
- サプリメント
- ハーブティー
- セルフケア用品
- ダイエット関連商品
- ホームケア商品
などです。
仮に施術売上が80万円だったとしても、物販で20万円あれば月商100万円になります。
| 施術売上 | 物販売上 | 合計売上 |
|---|---|---|
| 70万円 | 30万円 | 100万円 |
| 80万円 | 20万円 | 100万円 |
| 90万円 | 10万円 | 100万円 |
物販はうまく活用すれば、施術者の身体への負担を増やさずに売上を作ることができます。
ただし、物販も信頼関係が大切です。
お客様に必要のないものまで強くすすめると、信頼を失います。。
売上のための物販ではなく、お客様に本当に役立つものとして提案することが大切です。
月商100万円でも利益が残るとは限らない
ここも大切です。
月商100万円と聞くと、かなり儲かっているように感じるかもしれません。
しかし、月商と利益は違います。
サロン運営には、
- 家賃
- 光熱費
- 広告費
- 消耗品
- 洗濯代
- ホームページ費用
- 予約システム
- 決済手数料
- 税金
- 保険
- 研修費
- 備品代
などがかかります。
さらにスタッフを雇っている場合は、人件費も必要です。
月商100万円でも、広告費や家賃、人件費が大きければ、手元に残るお金は思ったより少なくなります。
逆に、一人サロンで固定費を抑えていれば、月商70万円〜80万円でも十分に安定する場合があります。
月商100万円を目指すなら必要なこと
リンパサロンで月商100万円を目指すなら、ただ施術を頑張るだけでは難しいと思います。
必要なのは、次のような要素です。
1. 客単価を設計する
1回6,000円なのか、10,000円なのか、15,000円なのか。
価格によって必要人数が大きく変わります。
安くすれば来やすくなりますが、人数を多くこなす必要があります。
高くすれば人数は少なくて済みますが、選ばれる理由が必要になります。
2. リピートの仕組みを作る
毎月新規のお客様だけで月商100万円を作るのは大変です。
安定するサロンには、リピートしてくださるお客様がいます。
新規集客には広告費や時間がかかります。
その点、既存のお客様に継続して通っていただくことは、集客コストを抑えるという意味でも大きなメリットがあります。
ただし、無理に回数券を売る必要はありません。
お客様が納得して続けられる説明や、施術後の変化、ホームケアの提案などが大切です。
3. 施術以外の売上も考える
施術だけで月商100万円を作ろうとすると、身体への負担が大きくなります。
そこで、
- 物販
- 講座
- セルフケア指導
- オンライン教材
- スクール
- 回数券
などを組み合わせると、売上の作り方に幅が出ます。
4. 無理な安売りをしない
初回980円や大幅割引は、集客力があります。
しかし、安さを理由に来たお客様は、リピートにつながりにくいこともあります。(申し訳ありませんが、お客様の質が下がる傾向もあり、精神衛生上あまりお勧めできません)
もちろん、初回割引自体が悪いわけではありません。
ただ、自分のサロンの価値や雰囲気に合っているかは考える必要があります。
信頼を大切にしたいサロンなら、安さよりも安心感や専門性を伝える方が合っている場合もあります。
月商100万円より大事なのは、続けられる形かどうか
リンパサロンで月商100万円は可能です。
でも、そこだけを目標にすると、無理な営業や過剰な集客になってしまうこともあります。
本当に大切なのは、
自分が続けられる形で、お客様にも喜ばれるサロンを作ること
です。
一度だけ月商100万円を達成することは、回数券や高額契約があれば可能かもしれません。
しかし、長く続くサロンに必要なのは、瞬間風速よりも安定感です。
ただ、数字を追いかける前に、
- どんなお客様に来てほしいのか
- どんな施術を提供したいのか
- どのくらいの働き方なら続けられるのか
- 売上だけでなく利益は残るのか
- お客様との信頼関係を守れるのか
を考えることが大切です。
まとめ
リンパサロンで月商100万円は可能です。
ただし、その達成方法にはいくつかのパターンがあります。
- 低価格で多くの人数を施術する
- 高単価で少人数を施術する
- 回数券でまとまった売上を作る
- 物販を組み合わせる
- 講座やスクールなど施術以外の売上を作る
どの方法にもメリットと注意点があります。
特に回数券は、宣伝費を抑えながら既存のお客様に継続して通っていただけるというメリットがあります。
新規のお客様を集めるには、広告費も時間も労力もかかります。
その意味では、回数券はサロン経営にとって有効な仕組みです。
しかし同時に、回数券は未来の施術を先に販売している側面もあります。
売れた月だけを見るのではなく、その後の予約枠、現金収入、施術負担まで含めて考えることが大切です。
月商100万円という数字だけに注目するのではなく、その売上が通常施術なのか、回数券なのか、物販なのか、講座なのかを分けて見る必要があります。
一度の大きな売上よりも、毎月安定して選ばれるサロンを作ることの方が、長く続けるうえでは重要です。
月商100万円は、確かに分かりやすい目標です。
でも、本当に強いサロンは、無理に売上を追いかけるサロンではなく、
お客様に信頼され、継続して選ばれるサロン
だと思います。
派手な売上よりも、長く続く信頼。
リンパサロンを仕事にしていくなら、そこを大切にしたいですね。
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